特許出願中

 pollyannaのエントリーに反応してみる。すなわち、”トンデモ特許”から”特許出願中”にいたる議論について。

まずは、こちらから。

オカルト特許申請

 なるほど、チン発明もここまで来たか。ジュラシック=パークの世界ですな。・・・まあ、出願だけなら誰でもできるわな。

 特許法上の発明であるためには、自然法則を利用していることが要件となり、さらに自然法則が全体的に利用されることが必要とされる。この好例が”第一種永久機関事件”の判例。このてのトンデモ特許ならば、審査の段階で拒絶されると思うのでそんなに心配しないでも良いのではないかと思う。まあ、審査官がトンデモ審査官で・・・ということもあるかもしれないが、いやしくも科学技術立国の日本でそんなことはないだろう、と楽観する。
 ただ、思考実験としてであるが、実際に出願人がこの特許に記載された方法に従って本当に”よみがえり(そんな映画があったなあ・・・)”が起こった場合には登録になる可能性が大きくなるだろう。特許法的な言い方でいえば、自然法則を利用していれば良いのであり、その解釈がまちがっているから、というのは拒絶理由にはならないはず。

 以下、オカルト特許申請からの引用

これでは、参考文献にしているという「『読売新聞』2008年1月27日、19頁」や、「『ニュートン』2008年2月号、70頁から75頁」すら理解できていないはずです。もちろん、原著論文を読む能力のある生物学者(生物学科の学生ですら)でないことも明らかです。

だから・・・これは拒絶理由にはならない。まあ、いくらなんでも本願に実施例があると思えないうえ、発明の構成が審査官を説得できるものでもなさそうだから、心配は要らないでしょう。
 もっとも、審査官の拒絶と発明人の異議申し立てがどんなやり取りになるか、想像するとほほえましいものがある(審査官はうんざりするだろうね)。
 なお、この議論は”有斐閣アルマ 知的財産法”(第4版)を参考にした。


 つぎに、”特許出願中”について。
pollyannaのエントリーから引用

《「特許出願中」表記の権威づけ》

「特許出願」は誰にでもできるものであり、その内容の価値を問わないものである、ということを周知徹底する必要があると思います。

本来、「特許出願中」表記は、同業のライバルに、「この発明は、ウチはもう特許出願したよ」と警告する意味の表記のはず。

しかし、「特許出願=特許された優れた発明」と勘違いしがちな一般消費者の誤解を利用して、本来持っている意味以上の権威づけ、ビジネス上の利益をねらって、「特許出願中」の表記が用いられるのは、どう考えてもおかしいと思います。

この問題は既にあちこちで議論になっていると思いますが、早急に対応すべきだと思います。


 これは商法の議論になるかもしれないのだが、”特許出願して審査請求を行っていないケース”については、一種の虚偽の広告に当たらないのだろうか?つまり、”出願”という行為は登録を前提として行われるはずであり、登録の見込みがない発明を”出願中”と広告するのは、発明の誇大広告に当たるまいか、ということ。参考文献がないので(というより、inoueはそもそも法学について素人である)これ以上は議論できない。弁護士に聞いてみたいところだ。
 なんだか、adobeの”本商品は、以下の特許により保護されています。US○○・・・”を思い出してしまった。

・・・・とまあ、ここまでのエントリー、サザンの打ち上げコンサート(24日、@日産スタジアム)の録音を聴きながらものしている。昨日(厳密に言えば、今日早朝、だが)夜更かししてFM53局同時放送のダイジェストをJ-WAVEで聴いて、ついでに録音した。inoueは、サザンは”湘南の演歌”だと思う。だからここまで続いたのだろうなあ。