2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?
dankogaiの”リミッターが一番外れた”対談、という文句に引かれて購入した。
- 作者: 西村博之
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 新書
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inoueはかなり以前に梅田望夫のウェブ三部作(ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)、ウェブ人間論 (新潮新書)、フューチャリスト宣言 (ちくま新書))は一通り読んでいる。そのあとで本書を読んでまず思いついた図式
無為自然、なんとなくひろゆきにぴったり来るじゃないですか。
梅田のウェブ三部作は、人間の善意に基づいた、快楽的(epicureanを直訳したつもり)なウェブの未来像を提示しつつ、”その世界で生き抜くにはちゃんとその心構えを持ちなさいよ”と、さりげなく読み手にカツを入れている。ウェブの進化の結果もたらされるであろう理想郷を熱望し、そこにたどり着くために身を律せよ、というところがいかにも論語だなあと感じた次第。
その点ひろゆきはウェブの未来に対して熱くならない。グーグルの広告モデル拡大には疑問を投げかけ、孫正義は病気ではないかと疑い、インターネットの(基礎的な)技術はすでに開発が終わってしまったから“これ以上新しいことは出てこないよ”という。技術の中身がわかっているだけに、説得力はある。
さはさりながら・・・とinoueは思う。ひろゆきのスルーしているところの落穂はないか?
たとえばYoutubeに対するGyao。著作権を力づくで無視したか否かということのほかに、英語ユーザーと日本語ユーザーのネット人口の差も勝敗を分けたところはないか?Perlもわからない素人の言うことではないかも知れないが、日本でなら諸般の事情で埋もれてしまうサービスも、それこそ別天地でブレークすることがないとはいえまい。・・・ちょっと梅田節かなあ。
それから携帯電話。重量1キロを切るモバイルパソコンが出て、バッテリーが10時間持つようになって、inoueにとってさえちょっと世の中が変わったところがある。携帯電話でできるITが質・量ともにいまのモバイルパソコンに追いついたら、もちょっと質的な変化が起こるんじゃないか。バッテリーの連続使用時間、通信速度、それから使用料の3点をとっても、携帯電話のITはもっと進化できると思う。
あともうひとついえば、wikipediaをぜひひろゆきなりに斬ってみてほしかった。
さいごに。
inoueは、ひろゆきは
”インターネットに未来的に何かがあるということ自体が、すでに誤解なのです”とのたまいつつも、何か目新しいものが出てきたらYoutubeに対するニコニコ動画のようにさらりとそれに乗っかるんじゃないかとにらんでいる。(そうなってもひろゆきは”大して新しいことはしていないんだけどねえ”とうそぶいているだろう)
白状すると、ひろゆき=danの対話は、リミッターが外れていただけあって見事に振り落とされてしまいました。涙。